ウォルフヒルシュホーン症候群という病気があることを、知らない人も多いでしょう。
お腹の中の赤ちゃんがウォルフヒルシュホーン症候群だと分かった時に、不安になるお母さんもいるはずです。
ウォルフヒルシュホーン症候群とは、いったいどのような病気なのか紹介します。
ウォルフヒルシュホーン症候群とは?
お腹の中の赤ちゃんがウォルフヒルシュホーン症候群だと分かった時に、原因や発症率など知りたいお母さんもいるはずです。
ウォルフヒルシュホーン症候群の原因や発症率について、紹介します。
ウォルフヒルシュホーン症候群の原因は?
ヒトの染色体は、1番から22番目まで2本で1組のペアになっています。
さらに、性染色体が2本加わって合計46本あるのです。
ウォルフヒルシュホーン症候群は、4番染色体の短腕の16.3領域が欠失し、欠失した部分の遺伝子機能が失われることで起きる病気です。
染色体は中心をはさんで短い方を短腕、長い方を長腕といい、短腕をp、長腕をqと表しています。
染色体の異常がある部分が4番染色体の短腕なので、4p欠失症候群とも言われています。
ウォルフヒルシュホーン症候群の発症率は?
ウォルフヒルシュホーン症候群は、5万人に1人の赤ちゃんに発症するのですが、症状が軽度の場合は見過ごされていることもあるので、実際はもう少し頻度が高い病気だとされています。
男の赤ちゃんより女の赤ちゃんの方が多く、比率は1:2なのですが、なぜ女の赤ちゃんの方が多いのか理由はわかっていません。
ウォルフヒルシュホーン症候群は、そのほとんどが偶然によって起こります。
つまり、どの夫婦にも生まれる可能性があるのです。
ただし、一部のウォルフヒルシュホーン症候群は、両親のどちらかが均衡転座と呼ばれる特殊な染色体の状態を保持していて、それを子供が受け継ぐことにより発症している人もいるのです。
均衡転座と呼ばれる特別な状態の染色体を保持している親は、病気の症状があらわれないことがあります。
ウォルフヒルシュホーン症候群の特徴
ウォルフヒルシュホーン症候群の原因や発症率について紹介しましたが、ウォルフヒルシュホーン症候群にはどのような特徴があるのでしょうか?
ウォルフヒルシュホーン症候群の特徴について、紹介します。
ウォルフヒルシュホーン症候群の顔立ちの特徴
4番染色体のどこを欠失したのかによって症状は異なるのですが、ウォルフヒルシュホーン症候群を発症した人の多くは、顔立ちに特徴があらわれます。
突き出た額や広い鼻筋、左右に離れた目に下を向いた口、眼球が飛び出ていることもあるのです。
成長に遅れがある
ウォルフヒルシュホーン症候群は、お母さんのお腹にいる時から成長の遅れがあり、身体が小さいと指摘を受けるでしょう。
生まれた後も、体重はなかなか増えません。
母乳やミルクを飲む量、離乳食の進みなどにも問題が生じることもあります。
筋緊張低下といって、筋肉の張りが弱く力が入りにくい症状や筋肉の発達が遅い症状もあるので、座ったり立ったり歩いたりする運動発達は他の子より大幅に遅れる傾向があります。
成長に遅れがある
個人差はありますが、ウォルフヒルシュホーン症候群の人には精神発達や知的障害が見られる場合が多く、言葉を理解したり発したりすることに遅れがあります。
そのため、言語能力や言葉によるコミュニケーションは難しいようです。
改善するには、言語療法というリハビリテーションを受けといいでしょう。
まとめ
ウォルフヒルシュホーン症候群は、5万人に1人の割合で生まれてくるため、お腹の赤ちゃんがウォルフヒルシュホーン症候群である確率は低いかもしれません。
ですが、少しでも不安になっているのであればNITPを受けましょう。
ただし、NITPの検査項目にウォルフヒルシュホーン症候群が入っていない施設が多いので、調べたい場合は、ウォルフヒルシュホーン症候群が検査項目に入っている施設をまずは探してください。