染色体の異常の一つにディ・ジョージ症候群がありますが、聞いたことがない人も多いですよね。
お腹の中の赤ちゃんがディ・ジョージ症候群だと分かった時に、不安になるお母さんも少なくありません。
ディ・ジョージ症候群とは、いったいどのような病気なのでしょうか?
紹介するので、ディ・ジョージ症候群を知って下さい。
ディ・ジョージ症候群の特徴
ディ・ジョージ症候群という言葉自体、聞いたことがない人も多いでしょう。
ディ・ジョージ症候群の原因や生まれてくる確率など、知りたいことだらけな人も多いはずです。
ディ・ジョージ症候群について、紹介します。
ディ・ジョージ症候群の原因
ヒトの染色体は、46本あります。
1番から22番目までは常染色体といって2本で1組のペアになっており、残りの2本は性染色体といって性別を決定します。
ディ・ジョージ症候群は、染色体の22番目のうち長い方(長腕)の一部に小さい欠失があることによる染色体異常です。
染色体の長い方をq、短い方をpと表すので、ディ・ジョージ症候群は22q11.2欠失症候群とも言われています。
ディ・ジョージ症候群は、多くの場合両親の遺伝子や染色体に異常が無くても、偶然によって起こることが知られています。
つまり、どの夫婦にも生まれる可能性があるのです。
ディ・ジョージ症候群は遺伝する?
ディ・ジョージ症候群の人に子供がいる場合は、50%の確率で子供に受け継がれます。
ただし、受け継いだ子供がディ・ジョージ症候群を発症する確率は全体の約10%程度で、ほとんどは上記でも述べたように偶然により発症します。
ディ・ジョージ症候群は、赤ちゃんの4000人から6000人に1人の割合で発症するというデータがあり、症状も軽い人もいれば命に係わるほど重い人もいます。
また、男の子でも女の子でも発生率に違いはありません。
ディ・ジョージ症候群の特徴
ディ・ジョージ症候群の原因や発症率について紹介しましたが、ディ・ジョージ症候群の人にはどういった特徴があるのでしょうか?
ディ・ジョージ症候群の特徴について、紹介します。
顔立ちの特徴
耳の位置が通常より低い位置にあったり、眼鏡をかけられないくらい耳の形が小さかったりします。
また、目が離れすぎていたり、下あごの形が小さかったりします。
他にも口の中と鼻腔を隔てている部分がない口蓋裂や、鼻と口の間にある人中が短いなどの特徴があります。
特に口蓋裂は、食べたものや飲んだものが鼻から出てきたり、呼吸に支障をきたしたりするので、手術を行う事もあります。
けいれんや不整脈が起こりやすい
ディ・ジョージ症候群は、副甲状腺が低形成なので血中のカルシウム濃度が維持できず、低カルシウム血症になりやすいのです。
低カルシウム血症になった場合、けいれんや不整脈が起きます。
さらに、吐き気や呼吸困難が起こることもあるのです。
胸腺がないか未発達
ディ・ジョージ症候群は、胸腺がないか未発達の状態です。
胸腺は、免疫機能の中心的な役割を担う細胞の正常な発達に必要な臓器なので、ディ・ジョージ症候群の人はウイルスや細菌に対する免疫が低くなっています。
そのため、インフルエンザや結核、皮膚感染症や胃腸感染症、クラミジア感染症やウイルス性肝炎などの感染症にも繰り返しかかりやすくなります。
生まれつき心臓に異常がある
ディ・ジョージ症候群は、心室中隔欠損と肺動脈狭窄、大動脈騎乗と右心室肥大の4つの特徴を持った先天性心疾患であるファロー四徴症や大動脈弓離断などが起こりやすく、重症であれば手術をする必要があります。
まとめ
ディ・ジョージ症候群は、染色体の22番目のうち長い方(長腕)の一部に小さい欠失があることによる染色体異常で、どの夫婦にも生まれる可能性があります。
お腹の中の赤ちゃんがディ・ジョージ症候群か気になるお母さんは、NITPを受けることを考えてみてください。
ただし、NITPの検査項目にディ・ジョージ症候群が入っていない施設が多いので、検査を考えている人は、まずはディ・ジョージ症候群が検査できる施設を探してください。