1960年代に、イギリスのエドワーズらによって報告されたことでエドワーズ症候群とも呼ばれる、18番染色体トリソミーがあります。
エドワーズ症候群については、聞いたことがない人も多いでしょう。
エドワーズ症候群の症状や、どういったことが原因なのか、どういった特徴があるのか詳しく紹介します。
エドワーズ症候群(18番染色体トリソミー)とは?
エドワーズ症候群という言葉は、聞いたことがない人も多いかもしれません。
ですが、染色体異常症の中ではダウン症候群の次に多いのです。
エドワーズ症候群について、紹介します。
エドワーズ症候群の原因
ヒトの染色体は、1番から22番目まで2本で1組のペアになっていて、さらに性染色体が2本加わって合計46本ありますが、一部の染色体が1本多いことをトリソミーと言います。
エドワーズ症候群は18番目の染色体が1本多いことが原因であるため、18番染色体トリソミーや18トリソミーとも呼ばれる場合もあります。
エドワーズ症候群は遺伝する?
エドワーズ症候群は約3500人から8500人の赤ちゃんに1人の割合で発症し、男の子より女の子の方に発症する割合が多い傾向にあります。
ただし、男の子はごくまれというほどではなく、若干少ないだけです。
エドワーズ症候群は、両親の染色体に何か原因があり赤ちゃんに遺伝する遺伝性の病気というわけではなく、突然変異、つまり偶然によって起こりうることと考えられています。
どの夫婦にも、エドワーズ症候群の赤ちゃんが生まれてくることがあるのです。
エドワーズ症候群の赤ちゃんが産まれてくる確率は?
上記で記載しましたが、エドワーズ症候群は約3500人から8500人の赤ちゃんに1人の割合で発症する、ダウン症候群の次に多い染色体異常症です。
しかし、妊娠しているお母さんの年齢が高くなるにつれ、リスクが高くなります。
お母さんが20代では、1万人から8300人に1人、30代では7200人から1000人に1人、40代では740人から250人というデータが報告されています。
エドワーズ症候群(18番染色体トリソミー)の特徴
エドワーズ症候群について紹介しましたが、エドワーズ症候群にはどのような特徴があるのでしょうか?
エドワーズ症候群の特徴について、詳しく紹介します。
生存率が低い
お腹の中の赤ちゃんがエドワーズ症候群のとき、自然流産となることが多いです。
出生後に1年以上生きられる割合は10%程度、10歳まで生きられる割合は1%と考えられていますが、最近では心臓や食道閉鎖などの症状に対する手術や新生児集中治療により、生命予後が改善してきているデータが増えてきています。
起こりやすい疾患
心室中隔欠損、心房中隔欠損、動脈管開存症などの先天性心疾患は、エドワーズ症候群の赤ちゃんの85%から90%が発症します。
予後に大きな影響を与えるため、早期発見と早期治療が重要となるでしょう。
先天性心疾患を合併する頻度が非常に高く、そのため心臓に負担がかかり、うっ血性心不全や肺高血圧が早い段階で進行します。
日常生活を送ることが難しい
口から飲んだり食べたりすること、1人で立って歩いたり言葉を発したりすることは難しいので、周囲からの手厚い介助や支援が必要になります。
認知機能の発達にも遅れが見られますが、手足を動かして気持ちを表現したり笑顔を見せたりすることもあります。
まとめ
エドワーズ症候群の原因は、染色体異常により突然変異で引き起こされるが多いです。
そのため、どの夫婦にもエドワーズ症候群の赤ちゃんが生まれてくる可能性があるのです。
ただし、お母さんの年齢が高くなればなるほど、エドワーズ症候群の赤ちゃんが生まれる確率が高くなります。
35歳以上のお母さんは、赤ちゃんがエドワーズ症候群かどうか見つけるためにもNITPの検査を受けることをおすすめします。