NIPT(新型出生前診断)で調べられる染色体疾患の1つに、パトウ症候群があります。
パトウ症候群の人が身近にいない限り、聞いたことがない人も多いでしょう。
どういったことが原因で発症するのか、発症率はどのくらいあるのか、わからないことが多いですよね。
パトウ症候群の特徴について、紹介します。
パトウ症候群とは
パトウ症候群という言葉は、聞いたことがない人も多いでしょう。
ですが、NIPTで調べられる3疾患の1つなのです。
パトウ症候群について、紹介します。
パトウ症候群の原因って?
ヒトの染色体は、46本あります。
1番から22番目までは常染色体といって2本で1組のペアになっており、残りの2本は性染色体といって性別を決定します。
染色体が1本余分にあることをトリソミーと言い、パトウ症候群は13番目の染色体が1本余分にあることから、13番染色体トリソミーや13トリソミーとも呼ばれることがあります。
パトウ症候群の発症率は?
パトウ症候群は、赤ちゃんの約5000人から1万2000人に1人の割合で誕生する染色体異常症です。
染色体の数の異常が原因で発症するため、どの夫婦にもパトウ症候群の赤ちゃんが生まれてくる可能性はあります。
ただし、妊娠しているお母さんの年齢が高くなるにつれ、リスクが高くなります。
また、親が均衡転座と呼ばれる特殊な染色体の状態を保持していて、それを子供が受け継ぐことにより発症している人もいます。
この場合は、次の子もパトウ症候群を発症する可能性があります。
ただし、親からの遺伝で発症した赤ちゃんのほとんどが妊娠初期に流産してしまうので、次の子がパトウ症候群である可能性は低いでしょう。
パトウ症候群の特徴
パトウ症候群の原因や発症率について紹介しましたが、パトウ症候群にはどのような特徴があるのでしょうか?
パトウ症候群の特徴について、紹介します。
身体の特徴は?
パトウ症候群の身体の特徴は、一般的な赤ちゃんより頭が小さく、頭皮欠損があり、片方もしくは両方の眼球が小さいという点があります。
また、目に入る光をコントロールする虹彩の一部の欠損や瞳孔の欠損、網膜の発達不良や首の後ろに皮膚のたるみなども見られます。
さらに、手足の指が余分にあり、爪の発育不良、唇や上あごが割れている口唇口蓋裂、難聴など、特徴が他にも数多くあります。
ただし、パトウ症候群の全員に上記で述べた特徴がみられるわけではありません。
どのくらい特徴が出るのかは、個人差があります。
先天性の心疾患がある
パトウ症候群の約80%の赤ちゃんに、心臓の病気がみられると言われています。
特に多いのが、心臓の左右の心室の間の壁に穴があいている心室中隔欠損症、大動脈と肺動脈をつなぐ管が開いたままになっている動脈管開存、左右の心房の間の壁に穴があいている心房中隔欠損症です。
パトウ症候群の寿命
パトウ症候群の子供の生存率は、非常に低いのが特徴です。
生後1ヶ月前に、80%の赤ちゃんが亡くなってしまいます。
生後1年の生存率は、約10%から20%と言われています。
しかし、近年では心臓手術や新生児集中治療などの進歩によって生存率があがってきているという報告もあります。
パトウ症候群に対する積極的治療も行われていますが、根本的な治療は存在しません。
そのため、病院によってはパトウ症候群の赤ちゃんも何もしないこともあります。
医療設備の整った積極的な治療を行う病院で分娩することが、赤ちゃんの寿命に深く関わってきます。
まとめ
パトウ症候群は、赤ちゃんの約5000人から1万2000人に1人の割合で誕生する染色体異常症です。
両親のどちらかから遺伝することもありますが、多くの場合偶然によって起こります。
そのため、どの夫婦にも生まれる可能性があるのです。
ただし、お母さんの年齢が高くなればなるほど、生まれてくる確率が上がります。
35歳以上のお母さんは、お腹の中の赤ちゃんがパトウ症候群かどうかNIPTを受けることをおすすめします。